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山の圧倒的な美しさに魅了されて以来、読書と映画、料理が好きなインドア派の私がハイクを楽しむようになりました。初心者、いや入門コースからですが、たくさんの山や自然に出会いたい。ハイクや日々の出来事を切り取り綴ります。

野趣豊かな美しい梅林、梅の香りに包まれた幕山ハイク。

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年が明け、気が付くと3月。雪山でスノーシューを楽しみたいと思いつつ、出かけることなく春を迎えてしまいました。

そろそろ山のパワーを感じたいと、霞がかった春の暖かな陽気の中、湯河原の幕山へ行ってきました。標高626mの幕山は約15万年前に形成された溶岩ドーム。地表に噴出したマグマ、柱状節理の岩壁が山腹を取り囲んでいます。裾野から山腹までの山麓斜面には約28種、4千本の紅梅と白梅が咲きほこり、その美しいグラデーションに目を奪われます。2月2日~3月10日まで、「梅の宴」梅まつりも開催されており、たくさんの方で賑わっていました。

湯河原は、富士山へ続く大地のエネルギーと神仏の大きなパワーが結集しており、パワースポットとしても知られています。源頼朝が、湯河原の領主の土肥実平とともに五所神社に戦勝祈願し出陣、石橋山合戦で大敗して山中に潜んだ地。絶望から自鑑水(池)で自害も考えたと言われていますが、幾多の危機を乗り越えて逃れ、後に平家を打ち破ります。頼朝も授かったであろう山に宿る力強いパワーを感じます。

一歩一歩、大地を踏みしめながら、山全体が柔らかな梅の香りに包まれた野趣豊かな梅林を進みながらの登山です。菜の花の鮮やかな黄色が梅の優しい淡いピンクを引き立てます。梅を愛でながら山頂を目指すのは初めての経験。日本の里山の美しい風景に心洗われます。

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f:id:spring2018:20190304174112j:plainイカーの方も多く、整備された歩きやすい道が続きます。気持ちよいなあ。

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f:id:spring2018:20190304174454j:plain春色のグラデーション、友人がこの写真を見て、黒澤明監督『夢』のようだと。まさに。「桃畑」のような美しさが心に留まります。

f:id:spring2018:20190304174903j:plain梅林最高地点から。梅林は山腹まで。柱状節理の岩壁は、クライミングを楽しんだりトレーニングされている方も多く、つい見入ってしまいました。

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この先を進むと急に視界が開け、海を眺めながらのハイクです。霞がかっていますが、真鶴半島に相模湾

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山頂はちょっとした広場になっており、皆さんお弁当をひらけランチを楽しんでいらっしゃいました。今年初の登山は、改めて日本の春は美しいと感じ入った至福の時間でした。運動不足がたたり、低山ながらも翌日は筋肉痛でしたが、山のエネルギーを授かり、心地良い疲労感に満たされます。梅まつりのこの時期は、色々なイベントや出店もあったりで、とにかく混み合います。駐車場もお昼ごろには長蛇の列。5つある駐車場の4つは9時オープンですが、幕山から一番遠い第5駐車場のみ早くから開いています。8時には満車に近かったので、車の方は早い時間に到着することをお勧めします。

 

幕山colorーーーPastel pink

 

美しき富士の山 忍野八海とリベンジハイク

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師走の慌ただしい日々。忙しい合間を縫って再び山中湖へ。先日登った石割山、平野山では雲に阻まれ富士山をみることができなかったのですが、今日は端正なその姿をみせてくれるはずと、車を飛ばします。車窓からも富士山が綺麗に見えて、近づくにつれどんどん大きくなり、その堂々たる風格に圧倒されます。

富士北麓に位置し、その富士山の伏流水による8つの湧水から成る忍野八海。昔から「神の泉」と崇められいくつもの伝説が語り継がれてきたそうです。茅葺屋根の日本家屋や水車、聳え立つ富士山、地下の不透水層という溶岩の間で数十年の歳月をかけてろ過された湧水を湛え底が見えるほど透明で清らかな池、それら古き良き日本の風景を求めて毎日多くの観光客で賑わいます。朝8時に到着、この時間なら観光客も少ないのではと思いましたが、既に数名の外国人観光客が、その15分後には大型バス2台到着し、あっという間に人の波が押し寄せました。

忍野元八湖は古くから富士御手洗元八湖として、富士修験の霊場でした。 富士講の信者は、富士登拝に先立ち、8つの湖沼群において水行を行ったとされ、それぞれ「富士外八湖」、「内八湖」、「富士山根元八湖」として記録に残っています。 八つの池(現在の忍野八海)は、「富士山根元八湖霊場」と名付けられ、略して、「元八湖霊場」と言われるようになったとされています。 天保14年(1843年)に富士講の一つである大我講の禊ぎの池として再興されたのを契機として、忍野八海が関東一円の富士講の中で広く知られるようになりました。 明治元年(1868年)に成立した明治政府の廃仏毀釈によって富士信仰は衰退し、忍野八海における水行も徐々に行われなくなり、第二次世界大戦後には禊ぎを行う行者姿はほとんど見られなくなりました。 昭和40年(1965年)頃から忍野八海の観光が注目されはじめ、昭和60年(1985年)に「全国名水百選」に選ばれたことにより、一層知名度が高まったため観光地化が進み、現在に至っています。 引用元:忍野村観光協会おしのナビ

 

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池底には投げ入れられたコインがキラキラと陽の光に反射し輝きとても綺麗。水深8m。

忍野八海の後は、再び平尾山にハイク。気温1℃、吐く息は白くなり、日陰には霜が降りています。その山道をしゃりしゃりと音を立てて進みます。

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近くで見ると霜柱って美しい。

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陽が差してきました。木漏れ日がキラキラ。太陽の陽射しって本当に暖かい。

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苔むす山の風景。松ぼっくりを拾ったり、山との静かな時間。のんびり登っても1時間満たない間に山頂へ。この景色が見たかったのです!ああ、美しき富士の山!

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山中湖と富士山。山頂のベンチに腰掛け、富士山を眺めながら温かいスープを飲みます。平日ということもあり、この美しい景色を独り占めできました。この日はあまり時間がないので平尾山だけで下山します。

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アルプスの山々。この先、何座登頂することができるのだろう?いや、できるのだろうか?

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山中湖畔から。白鳥が道路をのんびり横切り車に轢かれないかヤキモキしました。

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初めて食べた名物よしだうどん。キャベツと甘辛く煮付けた馬肉が入っています。麺は極太、コシあり。塩味強めでぬるめ。不思議なトッピングですが、これはこれでありなのかも。生まれも育ちも関西人としては関西風お出汁が恋しくなりました。

富士山は今年これで見納め。冬晴れの青い空に映える富士山。今日も惚れ惚れするくらい美しかったです。

 

山中湖colorーーーSky blue

大岩が御神体のパワースポット、石割神社(石割山)

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週末になると、森の匂いや、落ち葉が覆う柔らかな土の感触、ひんやりとした固い岩肌、山を纏う風の気配が恋しくなります。冬が深まり空気の澄んだ日が多くなりましたが、この日は厚い雲が垂れこみとても寒く、日中も気温が上がらない予報。山梨県山中湖畔から、平尾山から太平山へと登り富士山を臨みながらのハイキングの予定でしたが、この天気では確実に富士山は雲隠れ…。迷いましたが、山歩き初心者で体力のない私、富士山は見えなくても、一歩踏み込む毎に山登りの力がつくと考えトレーニングがてら山梨へ。

平野スタート→平尾山(1318m)→一ノ砂ノ沢ノ頭→石割山(1413m)→石割神社経て下山 距離約4.5m 高低差350m 累積高低差上り/下り 443/446m

山中湖は標高1,000m、陽射しはなく湖畔でも2℃で寒い…平野の駐車場に車を停め、平尾山を登ります。寒いながらも凛とした空気が心地よく、のんびりとなだらかな山道を進み、時折笹林を分け入り進みます。なんて静かな世界なのだろう。五感を研ぎ澄ませて山を感じ、山の懐に入る、そんな感覚。

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40分ほどで平尾山山頂に到着。視界が開け富士山が目の前!というローケーションですが、予測通り雲に阻まれました。

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最近は登山者やハイカーに役立つアプリもたくさん出ていて、こんな時にはこれ、AR山ナビを試してみることに。雲に覆われていますがその先に佇む富士山の方向にスマホをカメラモードにしてかざすと…わぉー、晴れていればこんな素晴らしい景色!便利な世の中になりました。

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平尾山から大平山に縦走し、平野に戻る予定でしたが、あまりの寒さと、富士山を拝める可能性が低いことから、石割山へ行き、石割神社を参拝して下山することにしました。石割山山頂までは不慣れな私は約20分弱かかりました。↓石割山山頂からも晴れていれば富士山ドーン!

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石割山8合目付近にある石割神社。聳え立つ大岩のご神体に圧倒されます。漢字の「石」の字の形に割れた大岩を御神体とする珍しい神社で、開運・厄除・追儺・長寿息災のご利益があるそうです。昔は女人禁制の霊場だったそう。ご神体の大岩の狭い隙間を3回通れば幸運が開けるといわれています。この辺り一帯、ものすごいエネルギーの風を感じました。

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時計回りに御神体の岩の隙間をくぐり三周すると幸運が開けるとのこですが、この隙間が結構狭く、ザックを下ろして三周お参りをしました。運が開けますように。

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魔除け・守護・装飾としての役割が託されている狛犬ですが、石割神社の狛犬は、左右どちらも子持ち狛犬です。珍しいですね。

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御神木の桂の木。

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403段の長ーい階段を下り下山します。残念ながら富士山を見ることはできませんでしたが、石割山はロープ場も多く、よいトレーニングになりました。空気の澄んだ晴れた日に、再びこの山を訪れたい。今度はきちんと鳥居をくぐり石割神社を詣で、富士山の方向に一歩一歩進みながら、山の魅力を味わいたいと思います。

寒い日だったのでかぼちゃほうとうの温かさが染み入ります…。美味しい…。

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 今日の石割山colorーーーash gray