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山の圧倒的な美しさに魅了されて以来、読書と映画、料理が好きなインドア派の私がハイクを楽しむようになりました。初心者、いや入門コースからですが、たくさんの山や自然に出会いたい。ハイクや日々の出来事を切り取り綴ります。

autumn color 2 東山魁夷が愛した風景

東山魁夷の代表作のひとつである「緑響く」のモチーフとしても有名な、奥蓼科にある御射鹿池。酸性が強く魚が棲息することができないそうで、酸性を好むチャツボミゴケが湖底に繁茂しているために、青緑に光る湖面に木々が美しく映るのだそうです。霧が立ち込めてはいますが、控えめながらもシンメトリーに映し出された木々は幻想的な美しさです。白馬が木陰から現れても不思議でないようなそんな思いに駆られます。凛とした空気感の中、ピアノ協奏曲が聞こえてくるような錯覚にとらわれます。

一頭の白い馬が緑の木々に覆われた山裾の池畔に現れ、画面を右から左へと歩いて消え去った、そんな空想が私の心のなかに浮かびました。私はその時、なんとなくモーツアルトのピアノ協奏曲の第二楽章の旋律が響いているのを感じました。おだやかで、ひかえ目がちな主題がまず、ピアノの独奏で奏でられ、深い底から立ち上る嘆きととも祈りとも感じられるオーケストラの調べが慰めるかのようにそれに答えます。白い馬はピアノの旋律で、木々の茂る背景はオーケストラです。『東山魁夷所蔵作品集』(1991)

 

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京都で「生誕110年東山魁夷展」が開催されていますが、10月24日からの東京展が待ち遠しく感じます。

蓼科山中腹、標高1,380mの蓼科御泉水自然公園。169haの園内には300種類もの高山植物が自生し、多くの野鳥が生息するそうです。木道も整備されていて、鳥の囀りを聴きながらのんびり森林浴するのにとても気持ちの良い場所です。(本格的なトレッキングコースもあり)雨が上がり日が差してきました。

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自然園横の女神のそらテラス。標高1,830m蓼科山中腹。眼下に女神湖、雲に隠れていますが槍ヶ岳北アルプスが一望できます。あまり知られていないのか、貸し切り状態のテラス席。ハンモックに揺られ、ゆっくり動く雲を目で追いながらこの空間を独り占め。高原の風が心地よいです。

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ーーー御射鹿池COLOR  bluish green