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山の圧倒的な美しさに魅了されて以来、読書と映画、料理が好きなインドア派の私がハイクを楽しむようになりました。初心者、いや入門コースからですが、たくさんの山や自然に出会いたい。ハイクや日々の出来事を切り取り綴ります。

紅葉したコキア色に染まる湖畔

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13歳になるミニチュアダックスのお爺ちゃんワンコと、高齢の母と一緒に、河口湖へ一泊二日のショートトリップ。この時期、河口湖畔の大石公園周辺は、紅葉したコキアの葉群れで、辺り一面が染めたように赤く染まります。細やかな葉が重なり合い、不規則な秋の風に躍るコキア。
深い茂りの中に差し込む秋の陽光がキラキラと眩しく溢れ、その先には、富士山が優美に佇みます。
綿をちぎったような濃密な雲がその姿を隠してしまい、時折顔を覗かせるだけでしたが、雪をまとった富士山の気品漂う姿をみることができて、母は大喜び。
宿泊した貸別荘のリビングと寝室には大きな窓があり、目の前に富士山、素晴らしい眺めです。

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富士山は、見えたり見えなかったりの雲の多い日でしたが、広い芝生の庭でバーベキューを楽しみました。持参した食材とワインでの食事。母は屋外でのバーベキュー初体験だったため、炭火で焼いたステーキや野菜の美味しさに、富士山を仰ぎながらの食事に、とても喜んでくれて、思い出に残る良き日となりました。

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好評だった串焼き。フェンネルシードで漬け込んだ豚肩ロースと野菜を串に刺して炭火でじっくり焼いただけですが、黒毛和牛のステーキよりも好評でした。この金串、100均なのですが、使いやすくとても優秀!
大石公園に隣接したハナテラスのカフェ。山梨だけあって、葡萄が美味しい!カフェや窯焼きのピザが美味しいイタリアン、お洒落な雑貨屋さん、天然酵母のパン屋さんなどが多いのも嬉しい。

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大石公園は木道やアスファルトで整備されているため、足の悪い母も気持ちよく散策することができました。コキアだけでなく、コスモスやベコニア、薔薇、シュウメイギクやフジアザミなどが楽しめます。

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来春、色とりどりの花が咲き乱れるこの場所に、また母とワンコを連れてきたいと思います。

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autumn color 3 草紅葉美しい車山

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真新しいトレッキングシューズを履いて、初めての低山ハイク。
のぼりくだり共に標高差282m、歩行距離11.2km、草紅葉が見頃を迎えた百名山車山外周1周のハイクです。リフトで山頂まで行き、霧が立ち込める中、まずは車山神社で安全祈願をしてそこからスタート。
段差の大きな階段状の急な道で一気に下ります。すでに膝が笑う…

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この後は比較的緩やかな道が続き、草紅葉を愛でながらのんびりハイク。

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山頂から下って緩やかな上り下りを繰り返し歩き、車山湿原にも寄り道しつつ、蝶々深山、物見岩でお弁当を広げ、5.5㎞八島ヶ原湿原まできました。長野県のほぼ中央、3000ヘクタールの大草原が広がる霧ヶ峰高原の北西部に位置する八島ヶ原湿原一帯は草紅葉がすすんでいてとても綺麗。外周2.4㎞の木道をのんびり散策します。

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長野の風景を愛した東山魁夷の「夕明り」は八島ヶ原湿原を描いたもの。
湿地特有の瑞々しい緑の中、湖面に雲が映し出されゆっくり動く様は儚く美しいです。
夕明かりの幽玄な美はここから生まれたのですね。

祈りの時が来た 静かに鳴らせ つりがね草 『画集 白い馬の見える風景』より

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ここからまた上りで山頂まで戻ります。
途中車山肩の山小屋、コロボックルヒュッテで休憩。サイフォンコーヒーでホッと一息つきます。

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最後の上りで再び山頂へ。山頂は360°富士山や八ヶ岳、3つのアルプスが一望できますが山頂は霧の中。
霧ヶ峰、その名の通り霧に煙ることが多いのでしょう。
地上を這っていた雲が勢いよく風に乗って頭上を駆け抜けたかと思うと、すーっと視界が開ける、何だか爽快な気分になります。

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草紅葉の美しい季節の車山ハイク。すすきが黄金色に輝き、銅色や朱色に染まる草木と合わさり、
秋色のパッチワークを見ているよう。素朴な山の美しさが心に沁みました。

見渡す先には連なる山の稜線が続き、それぞれの山の個性と美しさに見入ってしまいました。
遮るものがないってすごい。視界に入るのは秋色に染まる自然だけ。こんなに遠くを眺めたのは久しぶりかもしれません。

これからもたくさんの山に出会いたい。

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autumn color 2 東山魁夷が愛した風景

東山魁夷の代表作のひとつである「緑響く」のモチーフとしても有名な、奥蓼科にある御射鹿池。酸性が強く魚が棲息することができないそうで、酸性を好むチャツボミゴケが湖底に繁茂しているために、青緑に光る湖面に木々が美しく映るのだそうです。霧が立ち込めてはいますが、控えめながらもシンメトリーに映し出された木々は幻想的な美しさです。白馬が木陰から現れても不思議でないようなそんな思いに駆られます。凛とした空気感の中、ピアノ協奏曲が聞こえてくるような錯覚にとらわれます。

一頭の白い馬が緑の木々に覆われた山裾の池畔に現れ、画面を右から左へと歩いて消え去った、そんな空想が私の心のなかに浮かびました。私はその時、なんとなくモーツアルトのピアノ協奏曲の第二楽章の旋律が響いているのを感じました。おだやかで、ひかえ目がちな主題がまず、ピアノの独奏で奏でられ、深い底から立ち上る嘆きととも祈りとも感じられるオーケストラの調べが慰めるかのようにそれに答えます。白い馬はピアノの旋律で、木々の茂る背景はオーケストラです。『東山魁夷所蔵作品集』(1991)

 

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京都で「生誕110年東山魁夷展」が開催されていますが、10月24日からの東京展が待ち遠しく感じます。

蓼科山中腹、標高1,380mの蓼科御泉水自然公園。169haの園内には300種類もの高山植物が自生し、多くの野鳥が生息するそうです。木道も整備されていて、鳥の囀りを聴きながらのんびり森林浴するのにとても気持ちの良い場所です。(本格的なトレッキングコースもあり)雨が上がり日が差してきました。

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自然園横の女神のそらテラス。標高1,830m蓼科山中腹。眼下に女神湖、雲に隠れていますが槍ヶ岳北アルプスが一望できます。あまり知られていないのか、貸し切り状態のテラス席。ハンモックに揺られ、ゆっくり動く雲を目で追いながらこの空間を独り占め。高原の風が心地よいです。

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ーーー御射鹿池COLOR  bluish green